みたいなのどうよSSまとめ

後輩ちゃん可愛い。

先輩(♀)「最近はなんだか、嫌なことばかりだ。」

先輩(♀)「最近はなんだか、嫌なことばかりだ。」

 

1

先輩「この世のなにもかもが、私の望まない方向へ進んでいく。」

先輩「社会のような大きな流れから、身の回りの些細なせせらぎまで、すべて今の私には耳障りだ。」

先輩「本当にもう、嫌になってくる。……はやく世界なんてなくなってしまえばいいのに。」

先輩「……いきなりなんだと言いたげな顔をしているが、○○くんもそのなかの一部だよ?」

先輩「キミもそうさ。キミだって私の望まない進み方をしている。私にはそれが、腹立たしくて仕方がない。」

先輩「……ああ、別に○○くんが嫌いと言っているわけじゃない。むしろ好きだ。でも、好きだからこそだ。」

先輩「本当に好きなものほど、自分の思い通りに進んでほしいものだ。」

先輩「しかし、自分の望まぬ方向へ進んでいるのを見ていると……なんだか嫌いになってしまいそうになる。」

先輩「私はまだ、○○くんを好きでいたい。……まあ、だからといってどうしろと言うわけではないがね。」

 

2

先輩「はあ……なぜ私はこんな目に遭うんだろう。なぜすべて私の思い通りにいかない。」

先輩「こんな世界になら生まれてこなければよかった。生まれてくる世界を間違えた。」

先輩「もし何かの意思によって私がこの世に生を受けたというのなら、私はそいつに言ってやりたいね。」

先輩「そんなに私をこの世界に留めておきたいのなら、今すぐ私をこの世界における万能の神にしろ、とね。」

先輩「……うん、それはいい。○○くん、すべて自分の意のままにすることができたら、素晴らしいと思わないかい?」

先輩「そうだな、まずは私の嫌いなものをすべて、この世から抹消しよう。それを支持していた人間たちも、同じく消し去る。」

先輩「そうすればきっとこの世界は私に優しくなる。私が生きるに相応しい世界になるよね。」

先輩「そして、○○くん。キミを私の夫にするよ。」

先輩「ああ、絶対にそうしてみせる。たとえキミの意思を無視しても、必ず私の傍に置くよ。」

先輩「どうかな、嬉しいだろう?全知全能の夫になれるのだから。キミはその存在の寵愛を一身に受けることができるよ?」

先輩「ああ、素晴らしい。素晴らしいなぁ。ふふ、全知全能か。素敵、素敵だよ。ふふふ。」

 

3

先輩「しかし、分かってはいるんだ。私がそんなものになれる訳がないということくらい。」

先輩「所詮妄想の中での話。有り得ない話。そもそもこの世に神がいるのかすら分からない。」

先輩「でもやはり、一度は夢見るものだと思うんだ。この世界から気持ち悪いものをすべて排除できる。そんな権限を持つものになりたいと。」

先輩「たとえば神。あるいは悪魔。なんでもいい。絶対的な力をこの手に宿したい。そう思うよね。」

先輩「○○くんはどうなのかな。キミにだってそんな、人並みの妄想はしたことがあるんじゃないか?」

先輩「……では今から、もう一度そんな夢物語をしよう。仮にキミが全知全能になったら、なにをどうする?」

先輩「この世の中をどうする。人々をどうする。……なんてね。本当はそんなことが聞きたいんじゃない。」

先輩「そうなったときキミは、私をどうしてくれるのかな?」